強迫性障害
強迫神経症とは、『強迫観念』『強迫行為』を主症状とする精神障害です。強迫観念とは、自分ではばからしいと思っていても、意志に反して繰り返し浮かび、頭から離れない思考や衝動の事で、強迫行為とは強迫観念に対する反応や防衛策として、しなくてはいられないような行動や心の中の行為です。
健康な人の多くにも、迷信などに対する軽いこだわりや、ちょっとした確認行動のような強迫症状は認められますが、強迫神経症の患者さんは、例えば、何百回も足踏みを繰り返さないと部屋に入れなかったり、手がカサカサになるまで洗浄しなければ落ち着かないなど、強迫観念や強迫行為によって著しい苦痛や日常生活の障害が引き起こされています。
本症は思春期や若年成人の発症が多く、40歳までに約9割が発症します。
治療は主に薬物療法と行動療法が用いられています。
薬物療法はクロミプラミンという三環系抗うつ薬の有効性が発見され使用されていますが、クロミプラミンが脳のセロトニンという神経伝達物質に作用することが明らかとなり、本症の『セロトニン仮説』が提唱されました。その後、より選択的にセロトニンに作用を及ぼすセロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)という抗うつ薬が開発され、それらも本症に極めて有効であることが明らかとなりました。
SSRIはごく最近日本でも使用が認められ用いられていいます。行動療法はエクスポージャー(強迫観念となっている対象や状況に直面させること)、行動阻止技法(強迫行為を阻止すること)の組み合わせによって行われ、こちらも一定の成果をあげています。
近年、PET、SPECTといわれる進んだ画像診断を用いた研究によって、本症と脳の前頭葉、基底核といわれる部分の関連性が徐々に明らかとなってきました。今後、本症の病因と病態生理が更に解明されていくことが期待されます。
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